材および構造の良さを活用した改築
I邸O邸ともに、日本でごく当たり前とされてきた、近くの木を伐り出して造られた家です。日本の気候風土に合わせて建てられた「夏涼しくて、冬は寒い」典型的な日本家屋。
梁や柱はまだ十分にその役目を果たせますので、使える材はなるべくそのまま使い、建築廃材を減らしました。国産材は循環型社会における代表資源なのです。
ご家族の今までの想い出を大切に残し、使い勝手の良い家にと生まれ変わった住まいは、木の温もりとともに、ゆったりとした時間が漂う雰囲気が流れる家となりました。
今回手掛けたのはもともと土間であった田の字型の4部屋(玄関、土間、台所、厩)の
改築です。一番の問題は梁の床からの高さが低いことでした。
30年前の改装時に、土間、台所、厩の3部屋の床を上げましたが、土間周りの梁が低く
(一番低いところで、梁下から床まで1m66cm)、頭を打つ人も多い高さです。
また、その梁の高さに合わせて床高さが各部屋ごとに違い、つまずきの原因になっていました。
幸い、土間から台所へ入るところに一ヶ所(半間)だけ梁が無い部分があり、
そこを出入口にすることにより解決できました。
居間→土間に
北面の居間として使われていた土間を元の土間に戻し、土足のまま入れる応接室に。
応接間(元厩)
続きの間になっている2部屋とも天井が貼られていましたが、取り払い、吹抜けの明るい居間に変更。
吹抜けになった台所と居間には、天井にサ−キュレ−タ−を付け、冬暖かい空気を下向きに、夏は上に空気を引き上げることにより、快適な温度で過ごせるようになりました。

明かり取り窓
天井を取り払うと、小さな丸いガラスをはめ込んだ明かり取り窓が見つかりましたので、そのまま使用。
改築後の部屋の雰囲気にぴったりです。
| 施工費用 | 約1,000万円 |
|---|---|
| 設計・コーディネート費 | 50万円 |
水周りがすべて設置されている1階の土間部分と、その奥にある先代まで和菓子屋として営まれ、
現在は不要荷物置場となっている部分、家族が寝室として使っている2階部分を改築。
改築後の間取りは、天井や梁下の高さが低くても気にならないように、かつ日中の明るさを取り込めるように、
寝室になる個人の部屋を1階、家族が集まるリビング等を2階にしました。
また、西側隣地は小さな用水路、北側は今回解体した蔵があったため水を呼び込み、風が通らない構造だったので、
調理室などは衛生上も含め床を土間コンクリート。居室部分は防湿コンクリートを施して床を上げ、
南側和室の床下と繋げ、風を通すようにしました。
改装前、冬は外気と1℃差しかなかった家なので、性能向上には、断熱材を床下・外壁周り・屋根に補い、
外部建具を木製からペアガラスのアルミサッシにかえて断熱性と気密性も上げました。
改築前1階
改築後1階
改築前2階
改築後2階

壁面はしっくいと和紙を使用した階段
床を白の柿渋で明るく仕上げたLDKとプライベートスペース


眠っていた古い家具をエゴマ油と天然塗料で化粧直しして使用


| 施工費用 | 約3,000万円 |
|---|---|
| 設計・コーディネート費 | 150万円 |